同居や結婚で継親になり、連れ子(継子)との距離感に悩んでいませんか?
実親のように接すると煙たがられてしまう。
親戚のように接すると近いのか遠いのかわからない。
他人のように接したら距離が遠すぎて関係構築不良に陥る。
どうすれば良いのやら…。
様々な視点で見ても、関係構築の心配事は絶えません。継父である僕も、子ども達と養子縁組を組んでからこの悩みに躓きました。
同居して間もない頃は、ただただ可愛く思えていた継子達が、書類手続きをした日から徐々に憎らしく思っていた時期があります。
この継親子の距離感が上手く掴めなくなる1つの要因として考えたのは、「急に父親になった」という重圧です。教育に対し真剣になっていたつもりが、いつかは深刻になっていました。
このお悩み解決の結論は、継親は継子と親友のように接することです。そうすると、継子は束縛観を感じず、自由にできる点で最も気楽な距離感に思えるようです。継親の主観的な想いだけでは分からない部分なので、事前に知っておくことがが大切ですね^^
この記事を読めば、継親と継子の丁度よい距離感を理解し、継親子共にストレスを少なくして生活することが出来ます。同じ継親の皆さんの支えになれるような考え方をお伝えします^^
継親が実親を演じてしまうと継親子の関係構築は失敗しやすい
妻は離婚して、元の夫とは疎遠になっているんだ。
それで子供たちが寂しがると思って、僕がお父さんの代わりになりたいんだけれど…
継子には煙たがられるんだよね…。
よくありそうな話ですよね。また、この記事を見に来られている方も同じ悩みを抱えているのではないでしょうか?連れ子がいるパートナーと結婚し、継子との関係に悩んでこの記事を見ているとなると、皆さんは真面目な方なのでしょう。そんな方々に、継子から一言。
本当のお父さんじゃないのに、お父さんぶらないで!!
正直、大ダメージを受けるセリフですよね。近づきたいのに、近づけない。それどころか突き放される気持ちは、なんとも受け入れがたいものです。では、なぜそうなってしまうのか?理由を考えていきましょう。
継親子関係が失敗しやすい構造⁉代替モデル(スクラップ&ビルド型)
ステップファミリーは、血縁関係がない親子がいると言った風に多様性ある家族という認識がありながらも、従来の初婚核家族に当てはめようとする傾向があります。その代表的な家族構造の1つが代替モデル(スクラップ&ビルド型)になります。(図1)
代替モデル…?
スクラップ…?
ビルド…建てるってこと…?
最近ステップファミリーって言葉を知った身としては馴染みがないなあ…
『スクラップ(解体する)&ビルド(建てる)』
すなわち、『核家族を崩しては築くモデル』です
離婚したら核家族(夫婦関係や親子関係)を崩し、新しく核家族を構築する継親が別居親の完全な『代わり』となります
代替モデルでは、別居している実親の存在を軽視し、継親が実親の代わりとして機能します。そのため、継子は別居している実親と疎遠になり、継親や同居している実親に対しての疑心観が生まれるわけですね。
極端に言えば、親を名乗る他人から「これは親からの教育だ」と口出しされるような感覚です。物心ついた後に両親の離婚を経験した継子であれば、尚更違和感があるでしょう。
本当のお父さんじゃないのに、お父さんみたいにふるまわないで!!
けいし君のこの言葉は、自由がなくモヤモヤした気持ちを表す一言なのかもしれませんね。そうならないためにも、まずは代替モデルの特徴を掴みましょう。
代替モデルになる5つの前提条件
明治学院大学 社会学部 教授の野沢慎司さんは、この家族構造になる5つの前提条件を挙げています。(ステップファミリーにおける親子関係・継親子関係と子どもの福祉 (jst.go.jp))
1⃣子どもの両親は必ず婚姻関係にある
2⃣離婚した両親の一方は子どもにとって必要でないと考える
3⃣継親は子どもの新しい親として代替する
4⃣親権親と継親が対等に共同して子どもの養育にあたる
5⃣ステップファミリー全員の利害は一致している
そのため、親が望む生活支援があれば、子供の福祉も確保されると考える
民法819条により、婚姻中の父母は共同で未成年の子どもの親権を行使できますが、離婚後に親の一方は必ず親権を喪失します。また、継親子の養子縁組は容易であり、家庭裁判所も非親権親も関与せずに法的親子関係が成立するんですね。
これらにより、親の離婚後に非親権親は子どもの家族生活の外側へ消える存在になります。さらに、戸籍制度が婚姻家族の関係をより強力にすることで家族意識や行動に影響を与えます。
継親としては、別居実親への嫉妬や焦りが減る気がするんだけどなあ…
こちらの都合が良いだけで、子どもにとってはそうでもないんです
法律などの制度や慣習に『独自性』が組み込まれていない点において、ステップファミリーには不完全な制度だと言われています。
例えば、一方は再婚でもう一方は初婚であったり、両方とも子連れ再婚であったりと家族構成も異なります。また、継子が離別した実親の記憶があるかないかでも継親に対しての捉え方が変わりますよね。
このことから、ステップファミリーはとても複雑な家庭環境になりやすいです。それを配慮せずに生活していると、落とし穴が待っています。
【代替モデルの落とし穴!】継親が行う継子の教育と継子からの反発
代替モデルには問題点があります。
2⃣継親の継子に対する想いの強さが裏目に出る
継子にとっては誰が『親』であるか決定権がない
『代替モデルになる5つの前提条件』で記載した通り、養子縁組は家庭裁判所も非親権親も関与せずに法的親子関係が成立します。法律上、別居親は他人になって、継親が実親の代わりになることが多いです。
継子や別居親の許可なく申請しても簡単に承認される点も疎遠になる環境を後押ししていますよね
離婚した後は、別居親との関係が途切れやすいのか!
特に、学童期や就学前の子どもがいる場合は、金銭的にも継親が代替する必要がありそうだね
そうなると、継子は別居親とはもう疎遠です。そんな中、「ほら、新しいパパママだよ~」と言われて、すぐ受け入れられるでしょうか?
お父さん(お母さん)に会いたいなあ…
子どもの物心がついてから離婚して、親子関係が保たれていた家庭では、継子は会いたくなるでしょうね。
とはいえ、離婚したのには理由があるものだよね?
親権を持った実親が別居親に会わせたいと思うかなあ?
「元の親に会わせたくない」
これも代替モデルが多い理由でしょうね!
継親の継子に対する想いの強さが裏目に出る
離婚後、夫婦は別居し1馬力で子育てすることになります。もしくは、ご両親に協力を得て育てることになります。そうなってくると、継親への期待は膨らみますね。
継親自身も「親」代わりになることへの意識や期待が強まっていくでしょう。
普通の親だったら子供にしてあげられることをやっていきたい!
そう強く考えていた時期が僕にもありました
そうしていくうちに、継親は日常の小言を口うるさく指摘してしまうようになっていきます。それが本来あるべき良い親と勘違いしてしまいがちです。
連れ子を育てる覚悟を持ってして結婚したわけですから、当然熱が入ります。しかし、それが継親が自分の首を絞めてしまう元なんです。
これが『親になる』というプレッシャーです。
✅実親が想う、継子への罪悪感と継親への期待
✅継親が継子を育てることに難渋しても、「親」になることを求める
✅しつけや教育方針で夫婦が対立することもあり、継親が疎外感や孤独感を抱える
✅助言や情報を求めるも、相談しても理解や共感を得られない事が多い
✅継子を可愛がり、家事やしつけ、教育もする「理想的な親」を求められる
結婚後にパートナー(同居親)や継子の祖父母から「親代わり」として強く期待されていると気づき、それが大きな重圧になっていきます。
「他の親もやってるよ」
「自分の人生を犠牲にしてでも子どもを見るもの」
そんな言葉を掛けられることもあるんだとか…。
その結果、継親は相談先も見つけられず孤立していく事が問題視されています。
継親が親ではなく、親友のように接すると継親子の関係は上手くいく
継親子の関係が上手く行きやすい構造‼継続モデル(連鎖・拡張するネットワーク型)
親の離婚・再婚を経験した子どもにとって誰が「親」なのかが世界的に再定義されつつあります。
離婚した父母は、別世帯に暮らすことにはなるものの、父母両方とつながっている子どものケアや教育、養育費の分担などの面で一定の連携関係を維持します。
今までの代替モデルは家が1つだけですが、継続モデルでは継子の帰る家が増え、選択肢与えられます。そうすると、親の再婚を契機に継親や継姉弟との関係が生じ、子どものネットワークは連鎖的に拡張します。(図2:緑線)
アメリカの家族研究者のアーロンズさんによると、両親の離婚によって、核家族が崩壊したとはみなさず、核が2世帯に分離した後も子どもを介して繋がる両親とその子どもからなる双核家族という概念を1989年には提唱しています。
また、その双核家族にあたる家族の子どもたち173人に対して、再婚から20年後にインタビュー調査を実施したところ、大半は親の離婚や再婚を肯定的に受容し、家族変化に適応している事を明らかにしています。
離婚、再婚した時に罪悪感を覚えたけれど、この継続モデルでは子供たちも受け入れやすいんだね!
理念と知見
一般的には、継子にとっての理想的な構造は継続モデルです。その利点は以下のものが挙げられます。
世帯を超えた親役割の協働と分担
継親は責任をもって面倒をみる「保護者」
「親」とは異なる継親役割の獲得
別居親との関係の維持
中には、継親の重圧を予防し「事実婚」に留めて養子縁組は組まない方もいらっしゃるようです。
また、離婚後の親権を片方の親だけでなく、両方とも親権を得られる共同親権への働きかけも見られています。
型に囚われない家族の在り方でいいと言われると、気が楽ですよね^^
まとめ
戸籍制度や養子縁組制度により、継親は核家族になる意識づけをされ、重圧をより受けやすくなります。
「面倒見の良い親でなければ」
「自分の子どもになったのだから」
親を全面的に押し出してしまうと、パートナーとの育て方の違い、継子からの反発から亀裂を生じてしまいます。
継親さんは、パートナーや継子の事が大好きで、親密になりたい想いがあったからこそ結婚したはずです。
だからこそ、代替モデルではなく継続モデルの「丁度良い距離感」を考慮して頂けたら幸いです。
親ではなく、親友のような接し方で十分です!家庭の雰囲気は明るいですよ^^
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